わ行
■ヤケアトツムタケ(写真をクリックすると写真が拡大されます)Photo by Hanagasa
モエギタケ科・スギタケ属 Pholiota highlandensis
 キノコにはじつに様々な個性がある。発生する場所にこだわるタイプはかなり多いのだが、このキノコはそうした意味での横綱格と言えるだろう。なにしろこのヤケアトツムタケ、名前のごとく焼け跡に発生するのだ! なぜそこでなくちやいけないの?と問いかけてみたくなるほどだ。言うまでもなく、このキノコをさがすポイントはきわめて簡単である。焚き火の跡を探せば良いのだから_しかしながらここでいくつかのコツもある。それはひとくちに焚き火と云っても、何を、どこで燃やしたのかでなかみが異なるということだ。たとえば落葉の焚き火といえば、焚き火の本流かもしれないがこれは気に入らないようである。庭先でゴミなどを燃やした跡は?なんていうのは言語道断。ではどんな焚き火がねらい目かと言うと、ずばり本がたくさんある事、そしてやはり広葉樹の林内がベスト。良く手人れがいきとどいた林内の枝はらいをした木々の焚き火跡などは常に観察しておくと良い。このキノコにかんする資料を集めようとすればするほど、ヤケアトツムタケは良く実態が知られていない事がわかる。中には毒キノコとしている文献もあるぐらいだ。こうなるとわたしは何としてもこのキノコにスポットライトをあててあげたい。じつはこのキノコ、そうした価値観を十分持ち合わせている実力派なのだ。味、舌触り、歯切れの良さは抜群で、エノキタケ<もちろん天然物>に似ている。傘の径は2〜5cm、丸山形から平らに開く。茶褐色で周辺は色濃く大変強い粘性がある。柄は3〜6cm、褐色、繊維状の鱗片がある。春から秋にかけて、繰り返し何度も出る事が多い。いちど発生をみた場所は、雨の降った後などは必ずチェックしておこう!
乾燥しているときはよくゴミや土、燃えかすが付着して洗い落とすのが大変だが、手っ取り早く処理するには粘性で出来た皮をむいてしまうと良い。ただこうなると、粘性がかもし出す舌触りがなくなるので残念。これがヤケアトツムタケの最大の弱点といえるだろう。