わ行
ホンシメジ(写真をクリックすると写真が拡大されます)Photo by Hanagasa
キシメジ科 シメジ属Lyophyllum shimeji(Kawam)Hongo
 傘の径2〜10cm、半球形、まんじゅう形から生長してほとんど扁平となる。表面は灰褐色、繊維紋をあらわす。縁部は初め内側に巻く。肉は白色、ヒダは密で白から淡いクリーム色か灰色、茎に湾生、垂生、直生と変化がある。柄は長さ3〜10cm、太さは径10〜30mm、下部が大黒様の腹のようにふくらんでいる事から大黒シメジとも呼ばれる。[秋に株状に束生。特にナラ等の雑木林の地上に輪をえがくように発生する。昔から「香り松茸、味占地」と言われる味の王様シメジとはこのキノコを言う。スーパーマーケット等でホンシメジと表示しているキノコを買った人が「そんなに旨いとは思えなが・・・」と言うのを聞くが、あのホンシメジはブナシメジの栽培品であって、倒木上、切り株、枯れ幹上に発生するそれとは全く違うものである。それでも自然のものは三役クラスだが、スーパーの栽培品のそれとは比べるべくもない。ましてこのホンシメジと比べれば横綱と十両とでも言うべきか。身の丈九尺のナラ林にはホンシメジが出やすく、一度発生すると5年程続けるが年々根本が細まり、木の生長と共に消えるなどと昔聞いた事があって、真実は不明だが松茸以上にデリケートな、むろん栽培できるような物ではないめったにお目にかかれないキノコである事は確かである。現在の山の状態を見ると、全国何処へ行っても荒れ切ってしまっている為特にホンシメジ等にとっては発生しにくくなっているようだ。子供の頃はシーズンになると毎年食べれたものだが、この頃では四、五年前に見つけたのが最後で、ほとんどお目にかかれないのは残念である。身近に取れるキノコと言う本書の趣旨からは遠いキノコであるが、王様のキノコと言う事であげてみたわけである。もしも運良くホンシメジに出逢えたら、網焼きと豆腐汁に先ず料理して頂きたい。「味占地」の言葉を十二分に納得できる事だろう。
(料理法保存方法は多野亮先生のご指導を得ています。)